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厚生労働省をはじめ、国策として後発品の積極的利用推進が進められている。
表に先発品及び後発品の主な相違点を示した。これは、医療資源の有効活用としてすばらしいことである。しかし環境整備は十分であるのだろうか?人の命をあずかる医薬品を適正に管理・使用する医療人として後発品についてその課題・問題点について考えてみる。
品質試験において先発品と後発品の不純物の検出状況が異なっていたとの報告がある。注射用メシル酸ナファモスタット製剤の先発品の主薬以外の混合物混合割合は約0.2%であるのに対し、後発品(7銘柄)では、0.3%から0.5%程度であり何れも先発品より有意に多く、さらに大きな問題として後発品には先発品で検出されていない未知混入物が数種類検出された。先発品にも不純物は含まれているものの定められた各種毒性試験が実施され、安全性の担保が取られている。しかし、後発品には微量であり規格内であると考えるかもしれないが、先発品には検出されていない未知物質が0.数%検知されているにもかかわらず、毒性試験が実施されぬまま患者に投与されている。未知物質は、含量の問題ではなくその毒性が不明なことが重要であり、この場合先発品と同様に毒性試験を実施すべきであろう。さらに、医療現場で後発品の安定性試験や溶出試験を実施し、確認してみると基準を満たさない製剤が認められていることも報告されている。また、後発品には安定性に関する資料として完全包装品を対象にした加速試験のみが求められている。これに対し先発品には申請時資料には苛酷試験が必要であり、包装 除いた状態でかつ加速試験より苛酷な条件で実施されている。医療現場では1包化調剤、投与日数が長期化している現状で品質の安定性に関する情報が付加されていない後発品を患者のもとに長期保管してよいものであろうか。
先発品から後発品に変更した際、効き目が悪くなったという科学的根拠のない“うわさ”を耳にすることがある。C型慢性肝炎に対する静注グリチルリチン製剤の先発品と後発品の臨床試験を前向きに試験した結果、明らかに薬効が異なるという報告もある。
全国保険医団体連合会が、ジェネリック医薬品の開業医の使用実態・意識調査の結果、後発品に関しての使用印象度は41.1%が先発品と変わらないとしていたが、35.%が情報や供給の面などで不満や不安を抱いており、後発品が強い信頼を得ている状況ではないことがわかる。また、「(先発品)と異なる薬効を経験したか」との設問には14.4%が「ある」と回答し、「(先発品)と異なる副作用を経験したか」には4.5%が「経験した」と回答している。このようなシグナルがある場合は、治療効果及び副作用の同等性を確認すべき制度を設けるべきである。特に副作用に関して疑わしきは調査すべきという姿勢を忘れてはならない。
2003年7月、HMG−CoA還元酵素阻害薬に複数の後発品が発売された。そこで我々は、プラバスタチンの後発品を販売している後発品メーカー25社に生物学的同等性試験に関する資料請求をしたが、回答を得たのは20社のみであった。各製剤の試験製剤と先発品のAUCo∞(血中濃度―時間曲線下面積)を比較してみた。(図)但し、算出方法が異なり比較可能であったのは8製剤のみで、比較データが揃わない問題点も浮き彫りにされた。AUCo∞を比較してみると確かに各試験製剤と先発品の間に明らかな差は認められないが同じはずである先発品のAUCo∞が、各後発品メーカーの間で大きくバラツキ、4倍もの違いが見られた。この結果により後発品の申請時の試験方法、試験結果を再点検する必要があると考える。
また、医薬品の安全情報はどれ位で確立されるのであろうか。1990年以降に出された緊急安全情報29件を調査すると、先発品が発売されてから10年以上経過しているにもかかわらず緊急安全情報が出されているものが11件もあり、医薬品の安全情報の収集には時間がかかることがよく理解できる。
後発品の中には先発品の欠点を改善した製剤もある。例えばコンプライアンスの向上が望める製剤(小型化した製剤、味を良くした製剤など)利便性を向上させ医療過誤防止の一助になる製剤(キット製剤、分包製剤など)、安定性を向上させた製剤(保存条件の改善)、安全性を向上させた製剤(有機溶媒を含まない製剤、かぶれにくい湿布など)環境に配慮した包装資材の製剤など先発品を改善した製剤もあり、後発品メーカーを選択する目を養う必要がある。
患者に「後発品は先発品と同じ成分で、同じ効き目の医薬品で、先発品より安価な薬です」と自信を持って言えるであろうか? また、もし我々が病気になったら先発品と後発品どちらを服用するであろうか?と考えてしまう。
医療関係者ひとりひとりが、薬に対し厳しい目を持つべきである。真の意味で後発品の使用促進を実践できる環境(情報、行政の対応など)が整備される必要がある。 |
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