川越市薬剤師会の皆様、初めましてこんにちは。
最近の歯科界のトピックスとして歯のホワイトニングについて少しお話し致します。
1.神経の無い歯のホワイトニング
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右の写真はKさん(30歳、男性)のホワイトニングを行う前と後のものです。ホワイトニングする前は前歯が1本かなり茶色味を帯びた色をしていました。これは以前に歯の神経をとってしまったことセこよる変色です。神経(正確には歯髄)をとる時の出血や壊死した組織により歯の内部から黄褐色から暗褐色に変色したのです。そのため歯の表面をいくら磨いても白くはなりません。このような場合は歯の内部から薬を作用させてホワイトニングを行います。この場合は、まず歯の裏につめてある材料を削り取ります。そして削ってできた空洞に過酸化水素水を使ってホワイトニングを行います。1〜2回の治療で下の写真のように緒麗な
白い歯になりました。そして、白い歯の色に合わせて、歯の横に詰めてある材料も給麗に詰め直して治療終了です。患者さん自身もびっくりする程喜ばれました。 |
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2.神経の残っている歯のホワイトニング
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右の写真は前歯の色が気になるTさん(女性38歳)のものです。上の写真が治療前、下の写真が治療後です。治療の流れを簡単に説明すると、まず歯の表面についた茶渋のようなものを給麗に磨いてとります。次に本来の歯の色を確認記録します。次にジェル状の過酸化尿素を用いてホワイトニングを行います。このホワイトニングはご自宅で行えるものです。1〜2週間、毎日2時間作用させます。とても簡単かっ安全に行うことができます。実際に私も経験しましたがほとんど苦痛もなく手軽にホワイトニングをすることができました(もちろん歯科医師による.きちんとした説明、管理およびケアの下での話です)。仕上げは歯の脇につめてある材料を白くなった歯の色に合わせてっめ直します。思った以上に白くなりました。
ホワイトニングの良い点は何といっても歯を全く削らずに、歯そのものの色を白くすることができるということです。ただ、注意しなくてはいけないのは、白さは永久のものでないということです。
多くの場合何年か経過するとだんだん元の色に戻ってきてしまいます。故に、定期的なケアが必要ということです。またホワイトニングに用いられる薬剤が歯を弱くするのではないかという報告もあります。 |
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次に大学院での専攻が歯科理工学であったため、薬と直接関係する文章を書いて専門家の皆様にお読みいただくのは少し無理があると思われたので、薬と歯科理工学を結び付けたような内容を少しお話しさせていただきます。
歯(象牙質)の強度に及ぼす歯科治療薬の影響
Effect of Dental Medicaments on Mechanical Properties of Dentin
歯科治療を行う際には様々な治療薬が用いられています。こうした歯科治療薬は、歯や歯周組織(歯肉や歯槽骨)に対しての消毒および消炎鎮痛、あるいは歯髄(歯の神経)の鎮静といった薬理学的効果を期待して日常的に使用されています。しかしながら、こういった治療薬の中には、歯を構成する無機質成分(ハイドロキシアパタイト)や、有機質成分(コラーゲン)に対して強い作用を有するものもあるため、歯の強度(機械的特性)に対して影響を与えていることが示唆されています。
例えば、
1.ホルムクレゾール:1904年にBuck1eyにより紹介されて以来広く臨床に用いられ,強力な消毒作用と蛋白凝固作用を特長としているが組織為害作用も強い薬剤。最近はあまり使われなくなってきましたが、以前は歯の根の中の治療を行う際に頻用されていた薬剤です。
→歯の強さはにはあまり影響を与えませんが、若干歯が強く硬くなる傾向があります。
2.ユージノール:チョウジ汕の化学的主成分で比較的弱い消毒剤であり,蛋白凝固作用,制腐作用および鎮痛作用を有します。臨床においては消毒剤としてだけではなく,酸化亜鉛ユージノ一ルセメントの形で歯の根の中に神経の替わりに詰める薬剤としても広く用いられています。
→歯の強さを著しく増強します。硬さにはあまり影響しません。
3.水酸化カルシウム製剤:今世紀初頭から歯科領域に導入され現在さまざまな用途に応用されており、近年、歯の根の中の治療薬としての利用が特に注目されています。水酸化カルシウム製剤はカルシウムイオンと水酸化イオンによる壊死組織溶解作用、硬組織形成作用およびpHの上昇による消毒作用を有し、根の中の治療を行う際に様々な形で用いられています。
→歯の強さ、硬さが若干低下する傾向があります。
つまり、歯の有機質成分であるコラーゲンを強化する薬剤は歯(象牙質)の引張強さを増強し、コラーゲンを溶解させるような薬剤は歯を脆性化する可能性があると考えられます。
こういったことを鑑みると、薬剤が及ぼす、その薬理学的効果のみならず、歯そのものに与える化学的、力学的、物理学的影響というものも考慮に入れた薬剤の選択、治療というものも重要かと思われます。
以上とりとめもなく書きましたが、ここで思うことは薬剤には使用することにより得られるメリットとデメリットがありその両面を理解した上での治療を受けることが肝要であろうかということです。
亡き父に作った入れ歯
平成15年7月22日に父が66歳で他界いたしました。父の口の中には最期まで中成堂歯科医院で私が作った入れ歯がありました。
その入れ歯を作ったのは前年の8月。それまで使っていた入れ歯もだいぶ合わなくなっているし、残っている歯もだいぶグラグラだったので、新しいのを作ろうということになりました。今までのものは何年も前に保険で作った入れ歯。ピンク色をしたレジン(プラスチックのような高分子材料)でできていました。そこで、今度のは自費で構わないので、とにかく良いものを作っていこうということになりました。入れ歯のフレーム部分にはチタン、入れ歯の歯には天然の歯の色、形に極め
て近い材質のものを用いました。技術に関しては???とにかく惜しみもなく手間ひまかけて、じっくり丁寧にやっていった次第です。そして出来上がった入れ歯は?というと・…。自分でいうのも何ですが、素晴らしいものが完成いたしました。スーパーチタンを用いたおかげで、金属とは思えない軽さ、それでいてレジンとは比べられないほどの薄さに仕上がりました。勿論、チタンですので熱伝導性も良く、生体親和性という点でも優れています。歯についてもいわゆる入れ歯の歯ではなく、審美性の優れた、言うなればきわめて自然な風合いの優しい感じの入れ歯になりました。
父日く「今度の入れ歯は食べ物の味や温かさ、冷たさが良くわかって、食事がとても旨い!!」とのことでした。母も「口元がすっきりして、とても若々しく見える」と喜んでいました。
確かに、入れ歯を作った後、父は少し太りました。
父に作った入れ歯はその後も順調に口の中で機能していきました。
抗がん剤を投与するようになった後、父は一時的に少し痩せた時期もありましたが、入れ歯に裏張り(リベース)を施すことにより、快適な食生活を送ることができました。そういう口の中の状況、および主治医の先生を始め病院スタッフの皆様の献身的な治療、さらには家族・親戚・友人の皆様の支えのおかげで、父のQOL(Quality Of Life)は最期まで質の高い、豊かなものであったと思います。
そんな父でしたが、7月22日の未明に亡くなりました。虚脱感と、慌しくとり行われる式の忙しさのために、しばらくは全く実感がありませんでした。最期の別れの時には、私が父の口の中に入れ歯を装着しました。硬く、冷たい口の中に手を入れた時、初めて父は本当に死んだのだと思いました。火葬場では担当の係りの人にお願いして入れ歯も拾っていただきました。高融点のチタンの入れ歯は溶けることなく、お骨と一緒に納められました。
亡き父に作った入れ歯は1年にも満たない期間でしたが、その役目を終え、父と一緒に眠っています。
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| 中成堂歯科医院ホームページ http://www.chuseido.com |
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中野先生の奥様の中野由美子先生の記事が掲載されています。ぜひこ覧下さい。
「たまこクラブ6月号」5月15日発売妊娠中こそデンタルケアの見直しどき! |
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大正2年に建てられた洋風建築で、外壁はイギリス下見と呼ばれる方法で下見板を張り合わせ、木造の軽快さが端的に表現されています。2002年には「時代を映した医院建築」として``かわごえ都市景観デザイン賞"を受賞しました。 |
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略歴
1968年 川越に生まれる
1987年 埼玉県立川越高等学校卒業
1994年 東北大学歯学部卒業
2000年 東京医科歯科大学大学院歯学研究科修了(歯科理工学専攻)
2001年 同大学大学院先端材料評価学非常勤講師
2002年 川越市幸町にて中成堂歯科医院を開院 |
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